お気持ち表明

ただのお気持ち表明です。専ら自分語りと思考の整理を兼ねて

新曲投稿(2か月前)とそれにまつわる事と生き死にのお話

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 先日というか二ヶ月前、『真夏の死神』という曲を投稿しました。ガッツリシューゲイザーで、これまで作った中で一番の出来という自負があります。音もかなり良い感じだと思う。轟音パートを大音量で聴いたら気持ちいいのでおすすめです。

 何故二ヶ月も経った今このブログが書かれているのかというと、一度ほぼ書き終えたはずの記事を保存せずに消してしまい、全ておじゃんになって一切のモチベーションが消失したという理由があります。なんでゲームのデータはこまめにセーブするのにこういうのになるとやらないんでしょうね。書き直すのが本当に億劫だったけども、ちゃんと書いておきたかったので。

 この曲には特別な思い入れがあって、一年間ずっと溜め込んで考えた気持ちを昇華する為に作ったものです。今回はそれにまつわる話でも書こうと思います。ある特定の個人の事について書いているので嫌な人はここから先を読まない事をおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 この曲が完成してちょうど一年程前、僕の大学の友人が自殺した。友人というのは、僕が一方的に友人と思っていただけであって彼の方はそうでもなかったのかもしれないがそれはさておき、この曲を作ったのは、そんな彼に向けた自分なりの供養でもあり、まるで呪いのように一年間僕の心に纏わりついた複雑な感情を断ち切る為でもあった。死人に口なしとはよく言ったもので、別に彼にこの曲が届くなんて思ってはいない。勿論届いていればどれだけ嬉しい事かと思うが、所詮自己満足である事に変わりない。

 彼とは大学に入ってから最初期に知り合った。まず第一印象で変な人だと思った。聞けば哲学科らしい。THE BACK HORNが大好きだと言い、僕も好きなバンドだったのですぐさま意気投合した。同じ軽音サークルに入ったりもしたが、彼は最終的にドロップアウトしてしまった。

  僕は法律を学ぶ身であり哲学科ではないが、哲学は好きだし興味がある。当時高校時代にニーチェをちょろっと読んだ程度の知識しかない僕に、彼は哲学について色々と教えてくれた。あの時点で彼には自分の思想というものが出来上がっていたのだろうと思う。話を聞いても、僕には難しくてさっぱり理解できなかった。しかし、この時点でなんとなく彼は追い詰められる事による精神の困窮ではなく、迷いも躊躇いもなく、自分の意思で自ら死ねる人間なんだろうなという気がした。言うなれば、鉄の意志を持っているといったところだ。実際にはそうでなかったのかもしれないが、これが僕の私見である。

 彼とは一緒に行動したり、遊んだりはあまりしなかった。お互いに授業が忙しくなり、彼があまりサークルにも顔を出さなくなると共に会う機会も自然と減っていった。正直に言って最終的には疎遠になってすらいた。

 

 そうこうして去年の夏休み、唐突に彼が死んだという報せを受けた。

 

 最初は、というか、実際に葬式に行くまで信じられなかった。正直「質の悪いドッキリだ」とすら思っていた。今思えば、ただその事実を受け入れたくなかったのだろう。現実逃避である。彼はちゃんとそこにいた。とても安らかそうな顔で眠っていた。

 彼が死ぬ直前、一体どんな気持ちだったのかを推し量ることはできない。ただ、僕はその時「ああやっと死ねたんだな」という気持ちと、「死んだという事実を認めたくない」という二つの気持ちがあった。先立たれることによって残される側の人間の気持ちを嫌という程味わってしまった。それと同時に、僕は死ねない人間だという事実も突き付けられた。そうして呪いのようなものが心に一年間残り続けた。

 それまで僕はとっとと自殺して苦しい生から解放されてしまいたい、などと安易なことを考えていた。今だって別に長生きなんてしたくはないし何らかの要因で人生からドロップアウトしてしまいたい、という気持ちは変わらずにあるのだけれども、それでも残される側の気持ちを味わってしまった以上、自殺なんていくらしたいと思っていてもどうせできっこないなぁと思っている。何故なら、僕はあの時にとても悲しんでしまったから。喪失感だとか空虚だとか、自殺は人にとても悲しいものを与えてしまう。僕ですら味わったそんなものを自分から他者に与えてしまうなんてとてもじゃないが僕には無理です。自分が死んで悲しむ人間がいるなどと仮定するのは傲慢かもしれないが、それでも親や親戚にはよくしてもらっているし、大切にされてはいるようなので。少なくとも、そういう人達が生きている間はちゃんと生きないといけないらしい。

 結局、自分はそのような義務感で生きているという事実は否めないのだけども、僕はそういうしがらみから逃れられない弱い人間だということだ。そういった全部を投げ捨てて自らの意思を貫き通した彼を僕は心の底から尊敬しているし、強い人だな、と本当に思っている。つまるところ、大袈裟な表現にはなるけども、自殺という大業を成し遂げた彼に対して羨望や畏怖といった感情を抱くと共に、最後まで僕は迷いながらズルズルグダグダと生きていくしかない人間なんだろうとこの一年間ずっと考えて痛感したのだ。歌詞にもそういった内容を書いた。一年間ずっと引きずった結果がこの結論である。生き地獄だな、とも思う。

 この曲を作って、彼や死ぬ事に対しての思いが昇華しきれたかと言えば嘘になる。今でもまだ何度も考えてしまうし、その事に引っ張られそうにもなる。それでも、曲にできたという事はある程度気持ちの整理が付いたという事なのだろう。当然ながら彼のような強烈な人間を忘れる事などできない。生きていた頃の彼の姿はずっと心の中に映り続けている。兎も角、これが彼に対する僕なりの供養になれば幸いである。

 好きな時に死を自分で選べるような世の中はどれだけ素晴らしいのだろう。最終的に、死にたい人間を安らかに安楽死させることが許される世の中になれば良いと思う。もちろん非現実的すぎる話であり、絶対に来ないだろうが、僕はそんな世の中を望んでいる。どうしようもなくなってしまったら最後にとびっきりのご馳走を食べて、友人とこれまでの思い出を語り合って、関わってきた人達に囲まれて、笑顔でお別れする、そんな素敵な死に方をしたい。こんなの、あまりにも高望みすぎる願望だろうか。

 

 以上。そんな感じで最後に歌詞を置いておきます。あと、来年中にCD音源を作ってM3等の同人音楽イベントで販売しようというのを計画しているので協力者を募集しています。内容としては主にジャケットや曲を投稿する際のイラストを描いてくれたり、ちょっとMVっぽい動画を作ったりしてくれる人です。絵を描けたり動画を作れるという知り合いの人で、興味があるという人は是非とも連絡してください。報酬はきっちり支払うので、よろしくお願いします。

 

 

歌詞

夏の日 陽炎 波打ち際で笑った君の顔
揺れてる 向日葵 遠のく君の背中を眺めてる
君はもういない そんな事分かってるのに どうして
消えてく風景 モノクロ色をしている追憶

君は笑った 手を振っていた
立ち尽くした 僕はただ
行かないでと手を伸ばした 無駄なことだと知っていたんだ
これはそうさ 君が望んだ 僕はそれを知っていたんだ
追いつけない 分かっている
ああ 行ってしまう……

突き刺す日差し 増してく死の展望が笑ってる
天井 ロープ 骸骨の顔の人が笑ってる

君は笑った 手を振っていた
立ち尽くした 僕はただ
死神に連れて行かれたんだ そんな気がしたんだ 暑さのせいかな
これはそうさ 君が望んだ 仕方ないと割り切れずに
夏の憂鬱 僕を覆って 纏わりつく

君は笑った 手を振っていた
立ち尽くした 僕はただ
行かないでと手を伸ばした 無駄なことだと知っていたんだ
君はそうした 僕はどうだ 分からぬままに彷徨うだけ
そんな風に生きていくんだろうなぁ
僕はずっと……